自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

バグダッド・カフェ 1987年

砂漠にかかる美しい虹

西ドイツ、バーシー・アドロン監督 104分

アメリカ西部の砂漠にある寂れたモーテル兼カフェ「バグダッド・カフェ」。そこのいつも不機嫌な女主人で黒人女ブレンダ、そのカフェに中年のドイツ女ジャスミンが夫と喧嘩別れをしてふらりとやってくる。

最初は胡散臭く見られていたジャスミンだが、事務所やカフェを大掃除し、お客にマジックショーを披露し、だんだんカフェが繁盛するようになってくる。

 

いつも不機嫌なブレンダはジャスミンの包容力のせいなのか彼女と打ち解けてゆく。そしてジャスミンはブレンダの息子、娘、孫たちと家族同然の間柄になってゆく。

 

ところがジャスミンのビザの期限切れと労働許可証の不所持がわかり、保安官にドイツへの帰国を命じられる。

テーマ曲「コーリング・ユー」の透き通った歌声がする「♪・・聴こえている・・私はあなたを呼んでいるのよ‥♪」

 

赤、青、緑などの原色に近い色の鮮やかな映像に惹きつけられる。砂漠のように乾いた笑いのハートウォーミングな物語。西ドイツ映画でありながら「アメリカの砂漠」を舞台にした一風、変わった味わいの良作。