宇宙からのメッセージ
海辺に流れ着いた壜の中のメッセージはどこかミステリアスな気がする。どのような願いと祈りが込められているのだろう。
孤独な人が瓶のなかに「寂しくて死にたい」というメッセージを入れて海に流した。長い年月の末、たまたま海辺でその瓶を見つけた人がそのメッセージを読んだ。
じつはその瓶を見つけた人も孤独だったので、瓶が流れてきた海の彼方をみつめて「だれが流したのだろう」と思った。
もしこれが地球の海ではなく、宇宙空間だったとしたらどうだろう。
遠い宇宙の果てにも孤独な人がいた。その人も地球人と同じように祈りを込めてメッセージを流した。もちろん宇宙空間なので瓶ではなく小さな円盤にメッセージを託して流したのだ。
もしあなたの頭の上に小さな円盤が飛来したとしたら、それはメッセージの入った円盤かもしれない。だから怖れる事はない。
「いちばんさびしい人へ・・宇宙にはあなたよりさびしい者が存在する」これが宇宙からのメッセージだった。
シオドア・スタージョンの短編「孤独の円盤」は「孤独にも終わりがある。充分に長いこと、充分に孤独であった人には」という文章で終わっている。