自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

ぼくの大切なともだち 2006年

愛は金で買えるが、友情は買えない

フランス パトリス・ルコント監督

美術商のフランソワは自分の誕生日のディナーで「知り合いの葬式に行ってきたが親類を含めて参列者が7人しかいなかった」と話すと、ディナーに集まった人たち全員に「お前の葬式には誰も来ない、お前に友達はいない」と言われてしまう。

フランソワは10日以内に友達をつれてくるといい、20万ユーロのギリシアの壺を賭ける。友達のリストを作って会いに行くが、だれもフランソワを友達と思っていなかった。

 

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物知りでクイズが大好きで、感じが良くてだれとも親しくなるタクシー運転手ブリュノから友達を作るためのレッスンを受けることになる。ところがなかなかうまくいかない。

こいつなら大丈夫と6年生の頃の親友を訪ねると「クラス中がお前を嫌っていた、お前はクソ野郎だ」と言われてしまう。

損得勘定だけのフランソワは娘からもレズビアンで共同経営者のカトリーヌからも嫌われていた。

 

笑顔と他人への思いやりと誠実さが大切だとブリュノは言う。しかしそのブリュノも過去に親友に裏切られていた。ブリュノはフランソワを友達だと思っていたが裏切られて、去ってゆく。

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そして一年後のディナー、フランソワは変わっていた。共同経営者のカトリーヌから「あなたと友達になりたかったの」と意外な告白をされる。そのディナーでフランソワとブリュノは再会する。

 

子どもの頃から友達に囲まれてきた。思い起こすとたくさんの懐かしい顔が浮かんでくる。でも時の流れと共に病気や死やその他いろいろな事情で疎遠になってゆく。その時になって初めて友達って何だろうと思う。

気持ちのいいライトコメディだった。