自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

シマロン 1931年

シマロンとはスペイン語で無法者の意味

アメリカ ウェズリー・ラッグルス監督

1889年、オクラホマ、4月12日、正午の合図と同時に競争によってインディアンの土地を獲得できるランドラッシュ(グレートラン)が行われた。

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6週間で荒野に一万人の町オセージができた。その町で新聞社を立ち上げたヤンシー・クラバットと妻のセイプラ、そして息子のシム(シマロン)、シムは後にインディアンの娘と結婚する。

 

新聞社は順調だったが、放浪癖のあるヤンシーは自分の使命をもとめて何度も旅にでろ。そのたびに苦労するのは妻セイプラだった。

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1890年、町並みが出来上がってゆく、ヤンシー夫妻に娘が生まれる。1893年、再びランドラッシュが行われ、ヤンシーは出かけてゆく。

1898年、ヤンシーが米西戦争から帰ってくるが、裁判にかけられていた娼婦の弁護に当たり、その後、また放浪の旅にでる。

1907、油田が発見され町は大きく発展してゆき、自動車が登場する。そして1929年、オセージは大きな街になり、セイプラは下院議員になるが、ヤンシーは行方知れずのままだった。

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40年に渡るオセージの町のダイナミックな発展とヤンシー一家の変遷が描かれる。それは19世紀末から20世紀初頭のアメリカの歴史そのものだった。

 

90年前の映画という限界はあるが、それを補って余りあるものが描かれていた。それは開拓者たちの自由な精神とヒューマニズムアメリカンドリームだった。

要するにこれは古き良き時代の自信にあふれたアメリカ映画の原型だった。

第4回アカデミー賞の作品賞、脚色賞受賞