自由に気ままにシネマライフ

映画に関する短いエッセイとその他

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

第七天国 1927年 (サイレント、活弁入り)

シコ、ディアーヌ、天国 アメリカ、フランク・ボーゼージ監督 パリ、下水道掃除夫のシコ、彼は貧しかったが陽気で元気な若者だった。彼の願いは陽の当たる道路掃除人になることだった。それを神に祈っていた。 ある日、性悪女の姉から折檻をうけているディア…

じゃあね

桜が咲くころは卒業式の季節でもある 先日、ラジオからおニャン子クラブの歌が聴こえてきた。 「♪・・ずっと仲良しで いてくれた 時は思い出の 宝箱 そんな悲しまないで 大人への階段を登るだけ じゃあね そっと手を振って じゃあね じゃあね・・♪」 もちろ…

ローラとふたりの兄 2021年

またもやフランス発のラブ&コメディ フランス、ジャン=ポール・ルーヴ監督 フランス、アングレーム市、35歳の女性弁護士ローラにはやっかいな二人の兄がいる。眼鏡士で48歳の長兄ブノワと解体業者で47歳の次兄ピエールだ。 3人は月に一回、両親の墓…

僕が跳びはねる理由 2020年

自閉症者の世界を映像で見る イギリス、ジェリー・ロスウェル監督、82分 自閉症の作家、東田直樹が13歳の時に執筆し、世界30ヵ国以上で出版されたエッセイ「自閉症の僕が跳びはねる理由」を原作として、イギリス、インド、アメリカ、シエラレオネに暮…

機械じかけの小児病棟 2005年

シャーロットが子供の骨を折る スペイン、ジャウマ・バラゲロ監督 イギリス、ワイト島のマーシー・フォールズ病院は閉鎖間近で移転の最中だった。そこに夜担当の看護師としてエイミーが赴任してくる。 この病院にはシャーロットという幽霊が現れるという。と…

池田清彦「もうすぐいなくなります 絶滅の生物学」

ネアンデルタール人の男とホモ・サピエンスの女 最初の人類は、いまから700万年前にアフリカに現れたサヘラントロプスだとされている。約60万年前にネアンデルタール人の系統とホモ・サピエンスの系統に分岐する。 私たちにはネアンデルタール人の遺伝…

座頭市物語 1962年

座頭市シリーズの第一作 日本、三隈研次監督、原作は子母沢寛の短篇 天保の頃、下総、旅の途中だった座頭市は地元のヤクザ飯岡助五郎一家に草鞋を脱ぎ、しばらくの間、逗留することになる。 助五郎は新興ヤクザの笹川繁蔵一家と対立していた。しかし笹川一家…

パリ、嘘つきな恋 2018年

大人の恋に嘘はつきもの フランス、フランク・デュボスク監督 シューズ会社の支社長ジョスランは嘘をつきながら女性との浮気を繰り返す軽薄な中年男だった。 亡くなった母親の家でたまたま母親の車いすに座っている時、向かいに住む美女ジュリーが訪ねてきた…

アッシャー家の末裔 1928年(1997年復元)

サイレント末期の怪奇幻想映画の傑作 フランス、ジャン・エプスタイン監督、助監督、脚色ルイス・ブニュエル エドガー・アラン・ポーの3篇の小説を原作としている。48分 難聴の男が友人であるアッシャー家の当主ロデリックから「不安だ、ぜひ来てくれ」と…

モ’ベター・ブルース 1990年

黒い肌のミュージシャンたち アメリカ、スパイク・リー監督 1969年ブルックリン、黒人少年ブリークはトランペットの練習ばかりで友達と遊ぶことができなかった。 やがて彼は才能あるトランぺッターとして自分のバンドをもつようになる。しかしバンド内で…