映画との出会いと同じように人との出会いも早すぎるとき、遅すぎるときがあると思う。
ずいぶん前のことだが、当時、私は東京でフリーランスの仕事をしていた。仕事仲間に2歳ほど年上の女性がいた。彼女はボーイッシュな秋田美人だった。
私は池上線の洗足池駅に住んでいて、彼女は三つほど先の駅だった。時々、一緒に帰ることがあった。彼女は疲れて私の肩に頭をのせてよく居眠りをしていた。
ある日、ギャラを届けるために彼女の住んでいる町の駅前で落ち合った。二人で喫茶店に入り、彼女はビールを私はコーヒーを飲んでしばらく雑談をした。帰り際「私のマンションに寄っていかない?」と声をかけられたが、私はとても疲れていたので断った。
まさかそれが彼女と会う最後の日になるとは思わなかった。
後に、彼女は離婚寸前でとても悩んでいたということを知った。
長い間、そのことをすっかり忘れていたが私にある出来事が起こり、突然、思い出した。
彼女ともう少し遅く出会っていれば違った行動をとったような気がする。出会いが早すぎたと思った。なにしろその時、私はまだ24歳だった。
いつ出会うかはとても大切なことで早すぎても遅すぎても、悔いは残るものだ。
これが今年の最終の記事です。コメントを残してくれた方、訪問してくれた方、ありがとうございました。よいお年を。
未体験の一年だったが、いつの時代も怯えるのではなく、戦う姿勢の人たちがいる。